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皆さんこんにちは!
一般社団法人まつり、更新担当の中西です。
さて今回は
私たちは生きているなかで、誰もが一度や二度、「やり直したい」と思う瞬間を経験します。病気やケガ、仕事でのつまずき、人間関係のトラブル、長引くひきこもり、家族との関係悪化、経済的な困難…。理由は一人ひとり違いますが、「このままではいけない」「どこかで仕切り直したい」と感じながらも、どう動けばいいのか分からず、立ち止まってしまう人は少なくありません。
就労支援の現場は、そうした「人生の再スタートをしたい」と願う人たちが、静かに集まってくる場所でもあります。ここは、単純に「仕事を探すための場所」ではありません。過去の経験や傷つき、今の不安や迷いを抱えたままでも、もう一度、自分のペースで前を向いていくための「準備をする場所」「心と生活を整え直す場所」と言えるでしょう。
「人生の再スタート」と聞くと、大きな決断や劇的な転機をイメージするかもしれません。転職、引っ越し、離婚や再婚、新しいチャレンジ…。しかし就労支援での「再スタート」は、もっと小さく、静かな一歩から始まることがほとんどです。
・長く家から出られなかった人が、週に一度だけ通所してみる
・昼夜逆転していた生活を、少しずつ朝型に戻していく
・人と話すことが怖いと感じていた人が、スタッフとだけでも会話してみる
・自分にできることが何もないと感じていた人が、簡単な作業に挑戦してみる
こうした小さな一歩は、外から見ると些細な変化に見えるかもしれません。しかし、本人にとっては「自分はもう一度やり直してもいいのかもしれない」と感じ始める、大切なスタートラインです。
就労支援の役割は、まさにこの「小さな再スタート」を丁寧に支えることにあります。
人生をやり直したいと願いながらも、一歩を踏み出せない最大の理由の一つは、「自分の弱さを見せるのが怖い」という気持ちです。
・働けなくなった自分を恥ずかしく感じている
・人に迷惑をかけてきたと思っている
・過去の失敗やトラブルを思い出すのもつらい
・病気や障がいについて話すことに抵抗がある
こうした感情を抱えたまま、いきなり一般の職場に飛び込むのは、とても難しいことです。だからこそ就労支援の現場は、「安心して弱さを見せてもいい場所」である必要があります。
ここでは、
・今の生活リズムや体調のこと
・過去の仕事でのつまずき
・人間関係で傷ついた経験
・家族との悩み、将来への不安
といったことを、少しずつ言葉にしていくことができます。話したくないことは無理に話す必要はありません。話せるところから、話したいタイミングで、一緒に整理していきます。
「こんな自分でもいいのだろうか」という不安を抱えたまま扉を叩いた人に対して、「ここは、そのままのあなたで来て大丈夫な場所です」と伝えられること。それが就労支援の大きな役割のひとつです。
人生の再スタートを考えるとき、どうしても頭の中は「過去」に引き戻されます。
「どうしてあのとき、あんな選択をしてしまったのか」
「もっと頑張れたのではないか」
「自分にはやっぱり無理だったのではないか」
こうした思いは自然なものですが、過去ばかりを責め続けている限り、「これからどうしたいか」を考える余裕は生まれません。
就労支援の現場で大切にしているのは、「過去を否定しないまま、少しずつ『これから』の話に目線を移していく対話」です。
例えば、
・どんな仕事なら少し興味が持てそうか
・どんな働き方なら、今の自分でも続けられそうか
・どんな人たちと一緒に働きたいと思うか
・働くことで、どんな暮らし方をしてみたいか
といった問いを、一気に答えを求めるのではなく、何度も何度も、形を変えながら一緒に考えていきます。
「過去は変えられないが、これからの歩き方は一緒に考えられる」という実感を持ってもらうこと。それが、人生の再スタートを支えるうえでの、大切な土台になります。
長く働けていない期間が続くと、多くの人は自分のことを「何もできない人間だ」と感じてしまいがちです。しかし本当は、「できないこと」よりも、「すでにできていること」「これから伸ばせること」の方がずっと多いケースがほとんどです。
就労支援の現場では、
・小さな作業や訓練の中から、その人の得意なペースやスタイルを見つける
・人と関わるのが苦手でも、コツコツと続ける力がある
・一度覚えた作業を丁寧に繰り返すのが得意
・細かい部分に気づく観察力がある
といった「強み」を丁寧に掘り起こしていきます。
また、家事や趣味、一見仕事と関係なさそうな経験の中にも、その人の持ち味やスキルが隠れています。
・料理が好きで、レシピ通りにていねいに作れる
・ゲームの情報を集めたり、攻略法を研究するのが得意
・家族や友人の相談役として話を聴くことが多い
・ネットでの調べものや、パソコン操作に抵抗がない
これらは、一見「普通のこと」に見えますが、職場では大きな強みになりうる要素です。
人生の再スタートを支える場所としての就労支援は、「自分には何もない」と感じている人に対して、「ここには、あなたがまだ気づいていない力が確かにある」と具体的に伝え直していく役割を担っています。
社会に戻ろうとするとき、多くの人は「早く普通に働けるようにならなければ」と自分を追い込みがちです。周りの同年代と比べ、家族の期待を背負い、焦りだけが膨らんでしまうことも少なくありません。
しかし、人生の再スタートに必要なのは「スピード」ではなく、「自分のペース」です。
就労支援の現場では、
・週に数時間の通所から始める
・午前中だけ、短時間だけの訓練から始める
・体調に合わせて、働ける曜日や時間を調整する
・段階的にステップアップできるような計画を一緒に立てる
といった「オーダーメイドのペースづくり」を大切にしています。
早く成果を出そうとして無理を重ねると、一旦うまくいったように見えても、後から大きな反動が来てしまう場合があります。大切なのは、「ゆっくりでもいいから、続けられる形で前に進むこと」です。
人生は長く続きます。一時的なスピードよりも、「自分らしいリズムで、生きやすい形を整えていく」ことこそが、本当の意味での再スタートだと言えるのかもしれません。
人生の再スタートは、一度きりとは限りません。
・就職してみたけれど、合わなくて辞めることになった
・体調が悪化し、働く時間を減らさざるを得なくなった
・家庭の事情や環境の変化で、働き方を見直さなければならなくなった
こうした出来事は、「せっかく再スタートしたのに、また振り出しに戻ってしまった」と感じさせるかもしれません。しかし、就労支援の現場では、それを「振り出しに戻る」とは捉えません。
一度働いてみたからこそ分かったこと、初めて見えてきた自分の限界や得意・不得意があります。それは、次の再スタートにとって大きなヒントです。
・「この働き方なら続けられるかもしれない」と分かった
・「こういう環境は負担が大きい」と気づけた
・「無理をしすぎると体調が崩れる」というラインが見えた
これらは、紙の上だけの自己分析では決して得られない、貴重な経験です。
就労支援が「人生の再スタートを支える場所」であり続けるためには、「再スタートは何度でもしていい」というメッセージを、本人にも家族にも、社会にも投げかけ続けることが欠かせません。
就労支援のもう一つの大きな役割は、本人にとっての「居場所」と「出番」の両方を用意することです。
「居場所」とは、そこにいるだけで否定されず、安心していられる場所です。日々の何気ない会話や、スタッフ・他の利用者との交流を通じて、「自分は一人ではない」と感じられることは、再スタートに向けた大きな支えになります。
一方で、「出番」とは、自分が誰かの役に立っていると感じられる機会です。
・作業の一部を任される
・新しく来た人に、少しだけ先輩として声をかける
・事業所内のちょっとした係を担当する
・イベントや行事の準備を手伝う
といった、小さな役割であっても、「自分にはできることがある」「誰かに必要とされている」という実感は、働く意欲や自己肯定感を大きく育てていきます。
人生の再スタートには、「安心していられる居場所」と「自分が動き出せる出番」の両方が必要です。就労支援の場は、この二つをバランスよく用意しながら、本人のタイミングに合わせて一歩ずつ進んでいくことを大切にしています。
就労支援は、華やかな場面が目立つ世界ではありません。日々の小さな変化を一緒に喜んだり、ときには一緒に落ち込みながら、それでも少しずつ前に進んでいく、地道な営みです。
けれども、その積み重ねがあるからこそ、
「もう一度働いてみようと思えた」
「自分の人生をあきらめなくてよかったと思えるようになった」
「過去の自分も含めて、少しずつ受け入れられるようになってきた」
という声が生まれてきます。
人生の再スタートは、誰にとっても簡単なことではありません。ですが、「ここからまた始めていい」「何度でもやり直していい」と伝えてくれる場所が身近にあるかどうかで、その難しさは大きく変わります。
就労支援の現場は、まさにそのための場所です。過去を抱えたままでも、今の自分に自信が持てなくても、それでも「これから」を一緒に考えたいと願う人に開かれた、静かで力強いスタートライン。
もし今、「このままではいけないけれど、どうすればいいか分からない」と悩んでいるのであれば、就労支援という選択肢があることを、心の片隅に置いてみてください。そこは、あなたの人生の再スタートを、本気で一緒に考えてくれる場所です。そして、その一歩は、いつから踏み出しても、決して遅すぎることはありません。
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