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第23回就労支援雑学講座

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皆さんこんにちは!
一般社団法人まつり、更新担当の中西です。

 

「働きたい気持ちはある。でも怖い」
「何から始めればいいのかわからない」
「過去の失敗が頭から離れない」
「面接に行く前から心が折れそうになる」

就労支援の現場で出会う人たちは、決して“怠けている”わけではありません。むしろ真面目で、頑張りたいからこそ苦しくなり、つまずいた経験を抱えていることが多いです。病気や障害、ひきこもり、ブランク、家庭の事情、経済的困難、人間関係の傷つき…。背景はさまざまですが、共通しているのは「もう一度、社会とつながりたい」という小さな火を持っていること

就労支援の仕事は、その火を消さないように守り、少しずつ大きくしていく仕事です。
派手さはないかもしれません。でも、人の人生が動く瞬間に立ち会える、非常に尊くて力強い仕事です✨

今回は、就労支援の魅力を「人の変化」「支援の奥深さ」「社会的価値」「支援者自身の成長」という視点から、深く掘り下げていきます


1)就労支援は“仕事を紹介する”だけじゃない。人生の土台を整える仕事✨

就労支援というと、「求人を探して紹介する」「面接の練習をする」といったイメージを持つ方も多いと思います。もちろんそれも大事です。でも本質は、もっと広いところにあります。

働くことは、生活のリズム、体調、人との距離感、自己肯定感、お金の管理、通勤、報連相、職場のルール…いろいろな要素が組み合わさって成立します。だから支援の現場では、まず“働ける土台”づくりから始まることが多いです。

  • 朝起きるのがつらい

  • 人と話すと極端に疲れる

  • 外に出るだけで不安が強い

  • 長時間集中できない

  • 生活が荒れていて食事も安定しない

  • お金の管理に自信がない

こうした課題を「本人の努力不足」と片付けるのではなく、現実として受け止め、どう整えれば“働く”につながるかを一緒に考える。就労支援は、生活支援・心理的支援・スキル支援が重なった総合支援です。

ここがまず、就労支援の奥深さであり、魅力でもあります。
“仕事”を支えるのは、“生活”を支えること。
支援者は、その土台づくりの伴走者になります✨


2)小さな一歩が大きな変化になる。成長が見える仕事✨

就労支援の現場では、変化が「突然の大ジャンプ」ではなく、「小さな一歩の積み重ね」として現れます。だからこそ、その一歩が尊い。

  • 今日は時間通りに来所できた⏰✨

  • 自分から挨拶できた‍♂️

  • 作業中に報告ができた️

  • 苦手なことを「苦手」と言えた

  • 休憩を自分で取って調整できた☕

  • 失敗しても翌日来られた️

一つひとつは小さなことに見えます。でも本人にとっては大きな挑戦です。支援者は、その挑戦を一緒に喜び、次の一歩へつなげていきます。

就労支援の魅力は、この“成長の過程”を間近で見られることです。
昨日できなかったことが、今日できる。
一度崩れた自信が、少しずつ戻ってくる。
その変化は、支援者にとっても大きな感動になります✨


3)「働けた」以上に「続けられた」が本当の価値✨

就職はゴールではなくスタートです。
だから就労支援の本当の価値は、「就職させる」よりも「働き続けられる」状態をつくることにあります。

働き続けるには、スキルだけでは足りません。職場のコミュニケーション、体調管理、相談の仕方、困った時の対処、失敗した時の立て直し…。ここが整っていないと、早期離職につながります。

就労支援の現場では、

  • 職場での困りごとを言語化する

  • トラブルの前兆を掴む

  • ストレスを溜めすぎない工夫をする

  • 「助けて」が言える練習をする

  • 支援機関や家族との連携を作る

など、定着支援がとても重要になります✨

「就職できました!」だけではなく、
「半年続きました」
「1年続きました」
「自分で調整できるようになりました」
この報告は、支援者にとって胸が熱くなる瞬間です✨


4)“その人らしい働き方”を一緒に探せる仕事✨

就労支援の魅力は、支援者が“正解”を押し付けないことにもあります。
世の中には働き方がたくさんあります。

  • フルタイムだけが正解じゃない

  • 週3日から始めてもいい

  • 在宅が合う人もいる

  • 対人業務が合う人もいれば、黙々作業が合う人もいる

  • 体調を優先しながら働く道もある

支援者の役割は、「一般的にはこう」と決めつけることではなく、その人が無理なく続けられる働き方を一緒に探すことです。

例えば、
「人が怖い」→ まずは少人数、作業中心の職場へ
「体力がない」→ 短時間勤務から
「失敗が怖い」→ 手順が明確な仕事へ
「発達特性がある」→ 環境調整ができる職場へ

こうしたマッチングがうまくいくと、働くことが苦痛ではなくなり、生活が安定し、自己肯定感が回復します✨
“その人らしい”が見つかった瞬間、人生は変わります。

就労支援は、適職探しというより「適環境探し」の仕事でもあります✨


5)支援者も成長する。人を見る力、言葉の力が磨かれる️✨

就労支援は、支援者にとっても学びが多い仕事です。
相手の状態を観察し、言葉の選び方を工夫し、適切な距離感で関わり、チームで連携しながら支援を進める。これを日々繰り返すことで、支援者自身のスキルが磨かれます。

  • 傾聴力(聞く力)

  • アセスメント(状況把握)

  • 支援計画(目標設定と段階づけ)

  • フィードバック(伝え方)️

  • 連携力(企業・家族・医療・行政)

  • 危機対応(不調・休職・トラブル)

さらに、支援は「正解が一つ」ではありません。だからこそ、試行錯誤が生まれ、学びが深まります。支援者としての引き出しが増えるほど、支援はより精度が上がり、成果が出やすくなります✨


6)社会にとっても大きな価値。就労支援は“未来への投資”✨

就労支援は、個人のためだけではありません。社会全体にも価値があります。

  • 働ける人が増え、地域の活力が上がる

  • 孤立が減り、支援コストが減る

  • 企業側も人手不足を補える

  • 家族の負担が減る

  • 本人の税・社会保険の循環が生まれる

つまり就労支援は、“社会の循環を回す仕事”でもあります。
一人の人生が安定することは、周りの人にも波及します。
その広がりを作れるのが、就労支援の大きな価値です✨