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日別アーカイブ: 2025年7月18日

第13回就労支援雑学講座

皆さんこんにちは!
一般社団法人まつり、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~多様化~

「働きたいけど働けない」そう感じている人々がいます。高齢者、障がいのある方、引きこもりの経験者、生活困窮者、精神的な不調を抱える人、長期離職者…。これまで就労が難しかった人々に向けて、支援の現場は今、大きく多様化し、変化しています。

かつては「仕事を紹介するだけ」だった就労支援も、今では「社会復帰のプロセス全体を支える包括的支援」へと進化しています。就労支援の多様化が進んでいる背景や、支援のかたち・役割の広がりについて深く掘り下げてご紹介します。


1. 就労支援の対象が拡大している

以前は、障がい者や高齢者への支援が中心でしたが、今では以下のように多様な背景を持つ人々が対象になっています。

  • 身体・知的・精神障がいのある方

  • 発達障がいや学習障がいのある方

  • ひきこもりや不登校経験者

  • 生活困窮者やホームレス状態の方

  • シングルマザー・DV被害者・LGBTQ+の方

  • 高齢者・外国人・難民・刑余者 など

それぞれの背景に応じたきめ細やかな支援が求められるようになり、「一律支援」ではなく「個別化支援」の重要性が高まっています。


2. 就労支援の“中身”が多様化している

かつての就労支援は「職業紹介」や「職業訓練」が主でしたが、今では生活面・心理面・社会的スキルまで含めたトータルサポートが主流になっています。

主な支援内容の広がり

支援内容 具体例
就労前支援 自己理解支援、生活習慣改善、SST(ソーシャルスキルトレーニング)
職業訓練 パソコン操作、軽作業訓練、職場実習、資格取得支援
マッチング支援 求職活動の同行、企業との調整、面接練習
定着支援 働き始めた後のフォローアップ、職場訪問、家族との連携
自己肯定感の回復 カウンセリング、ピアサポート、レクリエーション活動

つまり、「働くこと」だけでなく、「働ける状態になること」「働き続けられる環境づくり」まで含めて、支援のフィールドが多様化しているのです。


3. 支援の担い手も多様化している

以前は行政やハローワーク中心の支援でしたが、現在は官民連携や地域密着型の支援機関が増え、支援の提供主体も多様になっています

  • 就労継続支援事業所(A型・B型)

  • 地域若者サポートステーション

  • 引きこもり地域支援センター

  • 障がい者就業・生活支援センター

  • 自立相談支援機関(生活困窮者向け)

  • 民間の就労移行支援サービス、NPO法人、ソーシャルベンチャー など

地域ごとに特色ある支援ネットワークが構築されることで、利用者が“自分に合った支援”を選択できる環境が整いつつあるのです。


4. 働き方の多様化に合わせた支援の展開

社会全体での「働き方の多様化」に合わせ、就労支援も柔軟性を増しています。

  • 在宅ワークやテレワークに特化した支援(ITスキル訓練など)

  • 週数日・短時間勤務に対応した支援

  • 起業・フリーランス志向者への相談対応

  • 農業・芸術・福祉的就労などの「多様な働き方」を選べる場の提供

このように、“企業に就職することだけが正解ではない”という価値観の変化に対応した、多彩な進路支援が広がっています。


5. ICTの活用とデジタル就労支援の進化

コロナ禍を契機に、ICTを活用した就労支援も急速に発展しました。

  • オンライン面談・カウンセリング

  • 就活セミナーや職業訓練のオンライン化

  • 支援計画・進捗のデジタル管理

  • 遠隔作業を通じたトライアル雇用(クラウドソーシングなど)

こうした取り組みは、移動に不安がある人や地方在住者などの“物理的バリア”を低減し、支援のチャンスを広げるものとなっています。


「誰一人取り残さない」就労支援の進化

就労支援の多様化は、単なる制度やサービスの拡大ではありません。それは、一人ひとりの「働きたい」という想いを尊重し、多様な人生に応じた“生き方としての仕事”を支える社会のあり方そのものの変化です。

私たちが目指すべきは、「全員が正社員になる社会」ではなく、それぞれの可能性とペースに応じて、誰もが社会とつながれる“働き方の多様性を支える社会”です。

そして、その土台となるのが、柔軟で多様な就労支援なのです。

 

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